2014年02月03日

iBeaconを試す(4) Passbook @ iOS

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連載「iBeaconを試す」が随分と間が空いてしまいましたが、まだ続く予定です。

今回は、iBeaconに対応したPassbookの話しです。Passbook自体はiOS 6から対応していましたが、iOS 7からはiBeaconに対応しました。お店にビーコンを設置して、事前に配布したお店のクーポンがお店の近くに来た時にiPhoneに表示するなど使い方は色々出来ます。個人的には実験する上で家に置きっぱなしでは使い物に成らないので、私自身がビーコンを持ち歩き、遭遇した時にパスを表示する仕組みを取ろうと思い、一つパスを作ってみました。ただ単に表示するだけでは面白く無いので、ポストカード引換券として用意しました。私と面識の有る人しかパスを入手しても、誰に申し出てポストカードを受け取れば良いのか分らない様なものですが、興味がある人はパスをiPhoneにでも入れておいて下さい。iOS 7のiOS端末の場合は、Passbookのコードスキャン機能を使って上のQRコードをカメラで写すと取得出来ます。ちなみに入手したパスに掲載されているQRコードもパスを入手する為のQRコードに成っていますので、お友達に配布する際にはそちらのQRコードをスキャンして頂ければ渡す事が出来ます。

Passbook用のパスの作り方に関しては、アップルのドキュメントや他の人のブログなどに書かれてあるので詳しく書きませんが、作成の為に登録デベロッパー用のサイトでパスタイプIDの登録が必要です。その時に、自分の端末で証明書を作ってアップロードして、登録サイトで作った証明書を今度は自分のマシンのキーチェーンに登録します。この辺の手順が馴れないと面倒な感じですが、アップルの「Passbookプログラミングガイド」と「iOS Pass Type IDs」の追加ページにある説明(英語)をちゃんと読めば難しく無い筈。必要なファイルはゼロから作っても良いですが、サンプルが用意されてあるので、passTypeIdentifierとteamIdentifierだけ書き換えれば、パスは作る事が出来ます。

パスの配布に関しては、メールに添付したりダウンロードするURLを公開すれば、簡単に配布出来ます。ただし、QRコードで配布する場合は、幾つか注意点が有ります。まず、パスを配布するサーバーが返すContent-TypeがPassbook用のものが必要になります。自分で管理しているサーバーの場合は、.htaccessに以下の様な記述を付かすれば対応出来ます。

AddType application/vnd.apple.pkpass pkpass

もう一つ、ウェブサーバーがhttps対応である必要があります。レンタルサーバーで独自ドメインで運用している場合、オプションが用意されている場合も有るので、そちらの契約が必要になり、費用が掛かる場合も有ります。ただし、独自ドメインではなく、レンタルサーバー屋が持っているドメインのサブドメインだと別途契約など必要ない状態で使える場合も有ります。今回、私は後者の形で配布しています。iOS 7のPassbookでコードスキャンを使わない場合は、httpsである必要は無いと思います。

ちなみに、iOS 7の方がiOS 6よりもPassbookのチェックが厳しくなっている様なので、iOS 6だけでパスの登録がOKでもiOS 7だとNGなんて事が有るので、要注意です。

こんな感じで、専用のアプリ無しで、iBeaconを使ったパスが作れるので、アプリを開発して何かをやるよりは敷居は低いと思います。これだとクーポンを表示するくらいにしか使えない様に思うかもしれませんが、QRコードでパスを入手出来るので、印刷物や、場合によってはパスの中に表示されるQRコードを使って広める仕組みを作れるので、アイデア次第では面白い事が出来ると思います。パスの中に表示出来るQRコードに別のパスを入手するQRコードを掲載すれば、もう一台カメラ付きのiOS端末が必要になるので、その辺を利用しても面白いと思います。

ポストカード引換券を配布中
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